シャングリラにアクシズの巡洋艦・エンドラが入港してきた。アーガマはコロニー公社の職員・チマッターの誘導でコロニー内部へと避難することに。一方、ジュドーはΖガンダムを盗むチャンスを窺っていたが、成り行きからマシュマーの乗るモビルスーツ・ガルスJと戦うことに……。
サブタイトルの曲はΖのものに戻る。また、ΖΖの劇判が多く使われ始める。エル・ビアンノが初登場するのもこの回から。
敵対する組織であるアクシズ軍の士官・マシュマー・セロが遂にご登場。ホスト風のイケメンで年齢は18歳。ハマーンと直接会話できる地位にあり、この若さで宇宙巡洋艦一隻を指揮していることから、実はかなりのエリートではないかと思われる。思われるのだが……ハマーン・カーンにベタ惚れで、ハマーンからいただいた薔薇を丹念にコーティングし、いつも持ち歩く少々ナルシストな男。やってることもどこか間が抜けていて、ピントのずれ方が半端じゃない。これはまた後述。
さて、大量の金塊に目が眩んだコロニー公社の所長・ダマールは、エゥーゴの戦艦・アーガマが入港しているにも関わらずアクシズの巡洋艦であるエンドラを入港させてしまう。敵対する組織同士の戦艦を、同じコロニーに入港させてしまうという浅はかさに驚くが、アーガマ派のチマッターはアーガマをコロニー内部へと誘導する。そこへ目をつけたのがジュドーたち。プチモビでアーガマに取り付くジュドー。この時の、プチモビのコミカルな動きが面白い。そして、それを発見するブライトだが、なぜか黙認する。
ブライトが黙認した理由……それは、この場面で『機動戦士ガンダム』1話でアムロがガンダムに乗り込むシーンや、『機動戦士Ζガンダム』1話でカミーユがガンダムmk-IIに乗り込むシーンが挿入されていることからも分かるとおり、ジュドーに彼らと同じ素質を感じ取っているからで、その期待の大きさは、この後ジュドーがΖに乗り込み発進することすらも許可しているほどだ。ブライトさんはこういうところには寛容だったりするんだよな。
一方、アーガマを目の前に功を焦るマシュマー。劇判「エンドラの騎士 C-7」をバックにハマーンとの謁見を思い起こしながら薔薇に誓いを立てる。ΖΖ序盤ではハマーンが登場するシーンで必ずと言っていいほど薔薇が出てくるが……ハマーンってこんなキャラだっけ?「初陣である」と口にしていることから、実戦は初めてということだろうか?だとすれば、マシュマーはアクシズ軍のキャリア組ってところかな。コックピットにハッチが取り付けられていないガルスJに乗り込みアーガマに肉薄するマシュマー。余談だが、マシュマーはこのガルスJを「力強さの中にも優美さと気品を失わない良いモビルスーツ」と評しているが……本当にそうか?そう思うか?後に登場するグレミー専用のバウのほうが遥かにかっこいいと思うけど。
「熱血のマシュマー B-11」に乗せてアーガマに肉薄するマシュマー。ブリッジの上に陣取り無条件降伏を迫るも、シンタとクムと仲良くなったジュドーの機転で一時的に退ける。その後ファがメタスで出撃するが、バーニアなど整備自体がままならないメタスではガルスJに勝てるはずもなく、Ζに乗り込んだジュドーによって助けられる。ジュドーとの会話の最中に、薔薇のにおいを嗅いで自己陶酔してしまいジュドーたちに逃げられるマシュマー。こういうところが間抜けているんだよなー。ΖΖ的で面白いからいいけど。
ビームサーベルすら満足に扱えないジュドー。ジャンク山へ逃げ込みジャンクの投げあいと殴り合いが展開される。そして、遂には果し合いのような形で対峙する二人。お互いの姓名と所属を名乗る。騎士というより侍に近いと思うのだが、マシュマーが「マシュマー・セロ アクシズの巡洋艦エンドラの指揮官をしている」と言うのに対しジュドーは「ジュドー・アーシタ 学校は……ずるけてる」と口に。Ζの世界観じゃこういうの考えられないよ?富野はΖΖにおいて、ガンダムでこういうのをやりたかったんだろうな、って思う。
結局、不調だったビームサーベルの力が戻り、マシュマーのガルスJを撃退するジュドー。また盗みに来ることをブライトたちに告げた後、リィナを連れて下町へと帰っていくのでした。
セリフ
マシュマー「私はこのコロニー1…すなわちシャングリラの人民をハマーン様に従うようにするために遣わされた者だ。エゥーゴが潜んでいようがいまいが、断固戦ってみせるわ」
リィナ「あなたたち、お兄ちゃんを悪の道に引っ張りこまないでちょうだい」
ハマーン「私の部下はまだ若い……実戦の経験も不足し、地球圏そのものにも不慣れだ。しかし、その中でもお前はよくやってくれている。……お前こそ真の騎士だ。励んで欲しい……私のために」*自らの美貌と組んだ美脚で年下の男をたぶらかすハマーン様。今でもシャアに未練たっぷりのくせに。
ブライト「なに?あの少年が出るっていうのか?ん……よし、あの子供か……」
マシュマー「着地してすぐに戦闘態勢を取るとは……戦い慣れをしている」*してねーよ。素人の子供やっちゅうねん。とにかく言ってることとやってることがトンチンカンなマシュマーさん
ジュドー「今日はあの新型をやっつけてやるつもりで乗ったんだ。この次はそうはいかないよ」
声の出演
ジュドー・アーシタ:矢尾一樹/ブライト・ノア:鈴置洋孝/リィナ・アーシタ:岡本麻弥/イーノ・アッパーブ:菊池正美/ビーチャ・オーレグ(アストナージ・メドッソ):広森信吾*1/モンド・アガケ:塩屋浩三/エル・ビアンノ:原えりこ
ファ・ユィリィ:松岡ミユキ/トーレス:柴本広之*2/シーサー:高宮俊介/シンタ:坂本千夏/クム:荘真由美/ハマーン・カーン:榊原良子/マシュマー・セロ:堀内賢雄/ゴットン・ゴー:戸谷公次/ダマール:西村知道/チマッター:金丸淳一
スタッフ
作画監督 | 山田きさらか |
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原画 | 池田和洋/小田不二夫/久米一成/紺野智幸/佐藤浩雅/重田亜津史*3/中村悟/松下佳弘 |
動画チェック | 吉沢亮吉 |
動画 | 中川信子/野村宙/小沢章子/大内正彦/福岡真一/山本まゆみ/網野勇治/スタジオ・夢民/スタジオ・マーク/スタジオ・ぶーびー |
色彩設定 | 高島清子 |
色指定 | 上保睦子 |
特殊効果 | 千場豊 |
仕上処理 | 前林文恵 |
仕上げ | サンライズスタジオ/中山昇/吉村貴子/森泉順子 |
背景 | スタジオ・イースター/矢島洋一/清水隆夫/鈴木国生 |
撮影 | 旭プロダクション/古林一太/奥井敦/平山明夫 |
編集 | 布施由美子(井上編集室) |
効果 | 横山正和 |
調整 | 依田章良 |
録音 | ニュージャパンスタジオ |
現像 | 東京現像所 |
タイトル | マキ・プロ/岸村弘明 |
制作デスク | 高森宏治 |
設定制作 | 近藤康彦 |
制作進行 | 杉浦勉 |
演助進行 | 高松信司 |
制作補佐 | 原田奈奈 |
OPコンテ | 滝沢敏文 |
ENDコンテ | 斧谷稔*4 |
OP・END作画 | 瀬尾康博/北爪宏幸/内田順久 |
OP・END美術 | 池田繁美 |
脚本 | 遠藤明吾*5 |
ストーリーボード | 杉島邦久/横山広行 |
演出 | 横山広行 |