老舗の廻船問屋・島田屋が高砂楼で遊んだ代金・五十両を踏み倒した。取立てに向かったおえんだが、島田屋は破産寸前。更に、島田屋が惚れていた花魁・住江も誰かに身請けされてしまった。
この事件の裏には、江戸で潰れた廻船問屋を安値で買い取り急成長を遂げる越前屋の姿があった。
おえんに言い寄る悪徳豪商・越前屋と、花魁に惚れた島田屋の話がクロスするお話。越前屋に言い寄られるも、満更ではないご様子のおえん。高砂楼の一件も、依頼を受けるときには「あまりやりたくない」なんて甘いことを言い出す始末。そんなときめいているおえんに、又之助はどうも面白くない。
さて、島田屋が心底惚れて身請けまでしようと決意した住江を先に身請けしたのは、何とその越前屋。越前屋は手下を使ってライバルの廻船問屋の船を沈め、経営が立ち行かなくなったところを安値でのっとり成長を遂げてきたのだが、今度は島田屋にその毒牙を向け、更には住江を紀州藩江戸家老・松山兵庫に差し出し後ろ盾を得ようとする悪巧みを、住江は偶然にも聞いてしまったため捕らえられることになってしまった。
おえんも捕まり住江から真相を聞かされるのだが、この時におえんが「(越前屋は)女は私だけだ、って言ったのに!」と本気で怒るところが可愛い。松山との会席の場で全てを暴露するおえん。最終的に越前屋を始末。おえんのような女を怒らせると……後が恐い。
脚本はハングマンシリーズなどでおなじみの鴨井達比古。監督はベテラン、大洲斉。おえんがお馴染の口上を述べるシーンでの、迫力ある煽り気味のカットが素晴らしい。
キャスト
スタッフ
原作 | 南原幹雄(新潮文庫・小説推理より) |
---|---|
チーフプロデューサー | 江津兵太(テレビ東京)/桜林甫(松竹) |
プロデューサー | 小川治(テレビ東京)/中嶋等(松竹)/斉藤立太(松竹) |
脚本 | 鴨井達比古 |
撮影 | 伊佐山厳 |
照明 | 中島利男 |
美術 | 倉橋利韶 |
録音 | 中路豊隆 |
編集 | 園井弘一 |
殺陣 | 宇仁貫三 |
装飾 | 清水与三吉 |
調音 | 鈴木信一 |
記録 | 清水町子 |
助監督 | 北村義樹 |
制作主任 | 渡辺寿男 |
進行 | 楳村仁一 |
スチール | 佐々木千栄治 |
広報担当 | 高橋修(テレビ東京) |
装飾 | 高津商会 |
衣装 | 松竹衣装 |
結髪 | 八木かつら |
装置 | 新映美術工芸 |
現像 | IMAGICA |
協力 | 京都大覚寺/鈴乃屋/エクラン演技集団 |
主題歌 | 「雨あがり」 作詞:麻こよみ/作曲:猪俣公章/編曲:小杉仁三/歌:坂本冬美(東芝EMI) |
製作協力 | 京都映画株式会社 |
監督 | 大州斉 |
製作 | テレビ東京・松竹株式会社 |