青木雄三の近況

久しぶりに作画wikiの青木雄三のページを読んだんだけど、最近はいろいろな作品に参加しているみたい。原画が中心のようだが。
少し前にある方とSkypeで話していたときに、「『ヤッターマン2009』に原画で参加している」って話をして驚かれたんだけど(僕もその情報を初めて聞いたときに驚いた一人なんだけど)、現在はどうやら「DREAM MOVE」ってスタジオに所属している模様。

「DREAM MOVE」は佐藤道雄や雨宮英雄(桜井木の実も?)らベテランが中心になって動かしているスタジオらしく、『ヤッターマン2009』や『こんにちは アン 〜Before Green Gables』にも下請けとして参加しているようなので、青木が「DREAM MOVE」に所属しているのであれば、青木本人の参加も珍しくはないと思う。また、「DREAM MOVE」はアダルトアニメの制作にも参加しているようなので、ひょっとしたらそちら方面でも参加している可能性がある。恐らく突飛なペンネームを使って参加しているのだろうとは思うが。

名探偵コナン』で絵コンテを担当していたときにはスタジオブーメランのメンバーと一緒に仕事をしていることが多かったので「スタジオブーメランに籍を置いているのかな」なんて思っていたけど、よくよく考えてみれば、同時期に放送していた『ポポロクロイス』で雨宮英雄や佐藤道雄、桜井木の実、小田仁、篠田章といったメンバーと一緒に仕事をしていたので、大方この時期に「DREAM MOVE」の前身みたいなものが出来上がって、近年スタジオが設立されて青木が参加…って流れなのかな?

多分、こんな感じでまた代表作が増えていくんだろうとは思うのだけど、現在は原画が中心のようだし、もう絵コンテや演出といったポストには入らないのかな…と少し残念だったりします。あの癖になる画面構成とキレのある演出はもう見られないのかな、と。少々残念です。最近の作品って本当に青木原画の特徴が分かりづらくて堪能しづらいんだよね…*1

北原健雄が描くそそり立つ色気を持つ美女ももう一度見たいんですけどね^^;

*1:先日『太陽の子エステバン』の青木雄三参加回を見たけれど、これは過去の参加作品にも関わらず分かりづらかった。辛うじて参加パートらしきところは抑えたのだけれども、ひょっとしたらもっとあったかもしれない。

必殺仕事人2009 第2話「厚顔無恥」

非道な辻斬り事件が横行する中、南町奉行所では江戸で一、二を争う笠原道場の師範・笠原監物に出稽古を依頼。一方、縁日の屋台で侍に絡まれる源太だが、それを救ったのが佐藤数馬という青年剣士。彼は笠原道場の門下生の一人だった。彼との出会いをきっかけに、数馬の母・みちに心惹かれる数馬。
数馬は監物の息子であり師範代を務める太平に見込まれ付け人となる。ところが、太平には自分よりも力の無いものに横暴と殺傷を働く悪癖があった。そのことを知った数馬は笠原道場を辞めたいと漏らすが、太平の逆鱗に触れた数馬は、稽古と称したリンチに遭って死亡する。何とかして恨みを晴らしてやろうとする源太だが……。

笠原監物役にはシリーズ常連の目黒祐樹、監物の息子・太平役は浜田学(父はこれまた必殺シリーズ常連の浜田晃!)、佐藤数馬役には忍成修吾、数馬の母・みち役には賀来千香子……今回も豪華なゲストである。今回の悪役は、二世俳優同士が親子を演じて結託するもので、こちらもなかなか感慨深い。なお、公式サイトの「あらすじ」にはサブタイトルらしきものが掲載されているため、このレビューでもそれに準じた形でサブタイトルを付けることにする。公式サイトで挙げるんだったら、本編で表示させてくれよ…とは思うが。

河原(吉右衛門鬼平犯科帳のオープニングで吉右衛門が斬りまくる場所)での凄惨な辻斬りシーンで始まる今回のお話。歪んだ欲求が生み出す辻斬り事件と並行して、自らの息子を世に出したい親の想いが善悪それぞれで交錯する。

江戸で一、二を争う笠原道場の師範・笠原監物は若年寄からの覚えもめでたく、近々息子である師範代・笠原太平を剣術指南役に…との声を頂戴するほどの名声の持ち主。将軍家指南役の道も夢ではない。この道場に通う佐藤数馬も剣術のセンスが良く、監物も一目置いているほど。この数馬、五年前に父を亡くしてからと言うもの母・みちが一人で育て上げた自慢の息子。剣の道での仕官を夢見ており、数馬もその期待に報いるべく必死に努力している心根のキレイな親子だ。このみちに心惹かれてしまったのが源太。プレゼントをしようとお菊に相談を持ちかけるあたりがかわいい。

数馬、太平に見込まれ付け人になったまでは良かったが、それが転落への始まりでもあった。太平は自らの剣の腕を鼻にかけ、貧乏暮らしの町人たちを徹底的に見下し暴力までをも振るう始末。挙句の果てには、河原で生活をしているホームレスをゴミのように斬り殺す人間のクズだったのだ。このことを知ってしまった数馬は、太平には付いて行けぬと笠原道場を辞めたいとみちに漏らしてしまう。みちから事の次第を聞いた監物は、太平にその事を問いただす。癇癪を起こした太平は、取り巻きらと共に稽古と称したリンチを行い、数馬を殺してしまうのだった。奉行所は「稽古中の事故死」として取り上げないことに。必死で育ててきたみちは放心状態に。

太平が辻斬りを行い、数馬をリンチで殺したことを知った監物。太平を若年寄の剣術指南役にとの声が上がっていることを伝え、ほとぼりが冷めるまで旅に出るよう厳命。そのことを聞いてしまったみちは逆上し、監物に罵りの言葉をぶつけるも監物はみちを刺し殺す。「お前が息子を世に出したかったように、わしも息子を世に出したいのだ」と。みちの恨みを晴らすため、源太が頼み人に、涼次が依頼料を出すことに。

権力者の馬鹿息子たちが面白半分に町人を斬殺し、それを権力者が庇い恨みへと繋がっていく……どことなく『必殺仕事人』17話の「鉄砲で人を的にした奴許せるか?」に似た展開だが、こちらはそれを諌める人間が逆にリンチに遭って殺されるという非情なもの。公式サイトの「あらすじ」ではこのリンチを「かわいがり」なんて言葉を使って表現しているけれども、やっぱり時津風部屋の一件を想定したものなのだろうか。だとしたら少々不謹慎な気もするけれども。

色んな展開を期待させる内容だったが、結果的には一番スマートな展開というか。太平が監物に謹慎を命じられたときは殺意に似た視線だったので、太平が監物を殺してしまうのか…とか思ったし、監物が前々からみちに惚れていて、無理やり犯してから殺してしまうのか…とも思った。どれも必殺的には有り得る展開だ。監物は温和な態度であっただけに、息子の非道を知ったときと、それを庇う態度に出る時の豹変はもうちょっと大袈裟でも良かったように思う。『必殺スペシャル・秋! 仕事人vs仕事人 徳川内閣大ゆれ! 主水にマドンナ』の脇坂常陸守が豹変するようなインパクトが欲しかったな。『十手無用』の11話「目刺し十匹うらみ武士」の石橋蓮司ほどの衝撃は必要ないけれども*1

恨み晴らしに至るプロセスもいまいち迫力に欠ける。源太が依頼人で、涼次がみちに支払うはずだった手間賃を依頼料にするというのもどうも。これは色々とやり方があったように思う。斬られて死んだ町人たちの親族から依頼を受けるとか。太平たちが辻斬りをしていたのは源太が裏を取っているわけだし、貧乏な町人たちからの切なる願いというもう一つの恨み晴らしがあれば、仕置きに更なるカタルシスを加えることが出来たんじゃないかな。

殺しのシーンは上出来。剣客たちを酔わせて油断させるというお約束な展開だが、涼次の謎の決め台詞は無いものの、スルメをくわえさせたまま殺すとか面白い。そして何より圧巻なのが主水の殺し。相変わらず小刀でブスリだが、この時の「殺しは俺のほうが上だぜ」は久しぶりに痺れさせてくれた。『必殺仕置屋稼業』の1話でも似たセリフがあったが、今は年季が入っているだけに迫力が違う。これだもの、太平もすくみ上がって逃げ出すはずだよ。

それにしても、松岡昌宏の妙に気張った大袈裟な演技は何とかならんか。

キャスト

東山紀之松岡昌宏大倉忠義福士誠治宇梶剛士前田航基

野際陽子中越典子

賀来千香子

忍成修吾尾上松也/仲野敦

西園寺章雄/下元年世/稲田龍雄/東田達夫/奥深山新/北沢光雄/木下通博木村康志/K&U/松竹京都俳優G

平野貴大/浜田学

目黒祐樹

和久井映見

藤田まこと

スタッフ

脚本 岡本さとる
音楽 平尾昌晃
主題歌 「鏡花水月The SHIGOTONINジャニーズ・エンタテイメント
美術監修 西岡善信
撮影 藤原三郎
照明 林利夫
美術 佐藤絵梨子
録音 中路豊隆
編集 園井弘一
スクリプター 野崎八重子
殺陣 宇仁貫三
装飾 木下保
小道具 小田忍/上田耕治
セット付 春田耕市
調音 上床隆幸
効果 藤原誠
映像技術 川楠敏之
HD編集 中尾逸子
VFXスーパーバイザー 佐々木宏
CGデザイナー 鶴見祐輔/井上貴祥
コンポジター 三上貴彦
スチール 北脇克己
特技小道具 布目真爾
冨士宮隆
メイク 佐々木博美
進行 山田智也/沖田昌紀
演技事務 山緑美春/松本保子
助監督 井上昌典
製作主任 溝口豊
製作担当 黒田満重
プロデューサー補 岸岡孝治/飯田新/西原宗実/渡邊竜
宣伝 高内三恵子/川井真紀/平野三和
編成 槇野博信/菊池寛
ホームページ制作 木村恵/黒川幸子/新井麻実
モバイル 江崎仁祐
衣装 松竹衣装
結髪床山 八木かつら
装置 新映美術工芸
装飾 高津商会
タイトル シュプール/竹内志朗
特技 宍戸大全軍団
技術協力 IMAGICAウェスト
人形浄瑠璃 あわ工芸座/阿波人形浄瑠璃研究会青年座徳島県立城北高等学校民芸部
コーディネート 梅津龍太郎
音楽協力 株式会社テレビ朝日ミュージック/エービーシーメディアコム
ロケ協力 大本山 随心院/総本山 仁和寺/京都 大覚寺/和知人形浄瑠璃
衣装協力 石勘株式会社/小紋屋 高田勝
題字 糸見渓南
語り 春風亭小朝
製作協力 松竹京都撮影所
チーフプロデューサー 森山浩一
プロデューサー 内山聖子/柴田聡/山川秀樹/武田功/三好英明
監督 原田徹
制作 ABC/tv asahi/松竹株式会社

*1:あれは本当に凄かった。鳥肌が立った。

山田風太郎 くノ一忍法帖

大坂夏の陣にて自害した豊臣秀頼であったが、千姫白島靖代)の画策によりお由比(葉山レイコ)、お喬(水野美紀)ら真田家に縁のあるくの一たちにその子種が植え付けられていた。
徳川家康(遠藤太津朗)は服部半蔵(我王銀次)ら伊賀忍者に秀頼の子を宿した女たちを探らせ、豊臣家の血筋を絶たせることを厳命。半蔵配下の手練の忍たちは次々に子種を宿したくの一を見つけ出し葬っていくが、信濃忍法により秀頼の子種は様々の女の腹を渡り、最後に子種を宿したのは何と……。

山田風太郎の時代劇を、必殺シリーズのスタッフが映像化したビデオシリーズの一作。脚本は『必殺シリーズ』『混浴露天風呂連続殺人』『魔界転生(1981年版)』などを代表作に持つベテラン・石川孝人。監督は『必殺シリーズ』などで知られる津島勝。スタッフの中には、現在放送中の『必殺仕事人2009』のスタッフも幾人か参加している。

当時必殺シリーズのスタッフはエロチシズムを前面に押し出した時代劇作品を幾つかシリーズとして製作しており、この他にも『おんな犯科帳(脚本:大工原正泰 監督:津島勝 主演:石原良純)』、『女犯十手仕置(脚本:中本博道 監督:酒井信行 主演:渡辺いっけい』など、必殺シリーズ鬼平犯科帳といった正統派な時代劇とは一線を画す時代劇を送り出している。ちなみに、これらビデオシリーズのほとんどで遠藤太津朗が出演しているが、この作品でも徳川家康役を演じている。

話の筋立てとしては、豊臣家の血筋を根絶やしにするために家康が放った伊賀忍者たちから秀頼の子種を守るため、くの一が奇妙で奇抜な忍術で凌いでいく……といったもので、やがて徳川と豊臣の争いから、男と女(滅ぼそうとする男と、子を守りたいという女=母性の強さ)の争いへと転じていく。

攻める伊賀忍者たちと守る真田のくの一たちとの間で展開される忍法がユニーク。家康からの命を受けた服部半蔵が呼んだのが、般若寺風伯と鼓隼人の二人。般若寺風伯は女体に宿った胎児の鼓動を聞くことができるという男。この男が使う「忍法・日影月影」は相手を意のままに操ることができる忍法で、この忍術に掛かった女は、自ら腹を突いて命を落とすことも厭わない。彼らによって一人、また一人と子種を宿したくの一が死んでいく中、くの一側は自分に宿った子種を安全な人物へと次々に移していく。そのために行われるのが、「信濃忍法・やどかり」と「信濃忍法・やどかし」である。孕んでいる女が自分の胎児を別の空腹へと移す際、孕んでいる側が「やどかり」を、空いている側が「やどかし」を行い移すわけだが、この時に女二人が取るのが性行為で用いる「対面座位」の体位。両者の女性器を合わせて胎児を移すという……何とも胡散臭いというか…何というか。劇中では水野美紀がこの忍術(やどかしの方)に挑戦しています。処女なのに胎児を移されて妊婦になってしまうお喬……。

伊賀忍軍との戦いでは、女ゆえに使える独特の忍法で男たちを撹乱。お由比が使う「信濃忍法・忍法夢幻泡影」は女性器から泡が出てきて、その泡に包まれた男たちは赤子へと退行するという忍法。この忍法で伊賀忍軍を巻き、相模の国の山中へと逃げ延びたお由比、お喬、千姫の三人。お由比の腹の中では秀頼の子が順調に育っていた。ところが、追っ手である伊賀忍者の一人・鼓隼人に見付かり、お由比は腹を強烈に殴打され瀕死に。鼓隼人はお喬が始末するが、秀頼の子種である胎児は……千姫は決断をする。「私に信濃忍法・やどかりを」と。既に腹に宿る胎児は育ちすぎている。忍法・やどかり自体が成功するか分からないし、お由比自体の体力も持つか分からない。千姫は最後の賭けに出たのだ。

結果、母体であるお由比は命を落とすものの、秀頼の子種である胎児は千姫の腹へと宿った。やがて出産の時を迎える。ところが、千姫の隠れ家を服部半蔵自らが突き止めてきた。半蔵は残ったお喬を殺し、千姫が産んだ豊臣家の血筋を絶とうとする。しかし、千姫にはもう徳川家も豊臣家も無かった。平和な世で、自分が産んだこの子供と無事平穏に暮らしていければそれで良いと考えていた。半蔵は赤子に刀を向けるも、その無垢な表情に刃を突き刺すことができなかった。忍の非情さも、無垢な赤子と赤子を守ろうとする母の強さには勝てなかったのだ。

天和二年。家康は初孫が誕生したことも知らずこの世を去った。阿福が作った鯛の天麩羅を美味いと言っているシーンがその前に挿入されているが、鯛の天麩羅に当たって死亡した説もある……といったことがナレーションで言及されている。

思いっきり安上がりなセットと衣装と配役。ポルノ女優をメインに据えているため、ギリギリなアングルからの過激な性描写や乱発される裸体など、ここでしかできない演出こそが特徴なのだが、かといって物語が途中で放棄されるといったこともなく、一応の物語として完成を見せてはいる。今から考えればあまりにチープなCGや合成、仕掛けがあって思わず笑ってしまいそうになるが、当時のスタッフからすれば、出来うる技術を駆使した最大限の工夫というわけなので、それもご愛嬌のうち。なお、くの一たちの衣装は当時流行ったであろう派手な原色系を基調に、キラキラのラメが入ったものを着用している。

伊賀忍軍との戦いは激しさを増していくわけで、もちろん殺陣のシーンも。葉山レイコ水野美紀といったくの一たちが大掛かりな殺陣を見せるのだが、さすがに水野美紀は殺陣が上手い…気がする。ジャパンアクションクラブが参加しているので忍者アクションも迫力アリ。

キャスト

白島靖代

我王銀次

葉山レイコ/丘咲ひとみ/水野美紀/小松美幸*1

石倉英彦/登のぼる/渡浩行/五島拓弥/増田葉子/細谷千絵/野崎佳積/杉本笑/渡辺由架/藤原ひろみ/村上浩司/新島愛一朗/山下和哉/麻立丸/平井靖/ジャパンアクションクラブ/東京宝映/エクラン演技集団/松竹芸能タレント養成所

ナレーション:西村知道

丹古母鬼馬二

伊藤敏八

遠藤太津朗

スタッフ

製作 角川勇二
プロデューサー 明石渉/下飯坂一政
原作 山田風太郎(角川文庫刊)
脚本 石川孝人
撮影 藤原三郎
照明 中山利夫
美術 太田誠一
編集 園井弘一
録音 田原重綱
調音 鈴木信一
装飾 中込秀志/草川啓
記録 野崎八重子
スチール 牧野譲
殺陣 布目真爾
進行 岡田圭介
プロデューサー補 保科仁志(松竹芸能
装置 新映美術工芸
床山 八木かつら
衣装 松竹芸能
現像 IMAGICA
助監督 田中幹人/原田真治
製作主任 阿曽芳則
ロケ協力 京都大覚寺/国宝姫路城
製作協力 松竹芸能株式会社/京都映画株式会社
監督 津島勝
製作 すみかわフィルムアーツ/ギャラクシーワン東北新社

くノ一忍法帖 [DVD]

*1:小松みゆき

必殺仕事人2009 第1話「一刀両断」

この半年の間、江戸内で若い娘が陵辱され殺される事件が五件発生。一方、若い娘たちの間では、夜な夜な若い色男が過激な遊びを提供する柳橋の美景庵(みけいあん)が大流行。いくら色男を集めてもまったく客が入らない芝居小屋は次々に閉鎖され、芝居好きの小五郎は不満顔。
美景庵のメンバーの一人・直助は「信次」と名前を変え、日本橋にある駿河屋仁吉の娘・お佐代をたぶらかし殺害。駿河屋はお佐代の恨みを晴らすためお菊へ依頼を行うも、それが世間体を取り繕うためであるため依頼を拒否。しかし美景庵が関わっていることから、源太を差し向け様子を探らせる。
姉・お佐代の死に美景庵が関わっていると知ったお絹は、ふとしたきっかけで知り合った直助に惹かれていく。直助がお佐代を殺した当の本人だとも気付かずに……。

1991年に放送されたシリーズ第30弾『必殺仕事人 激突!』終了から、実に約17年ぶりとなる必殺シリーズの連続モノ。1月4日に放送された『必殺仕事人2009』の新春スペシャル版に続く内容で、新春スペシャル版にて玉櫛が斬殺されたことを、涼次が玉櫛の妹である如月に伝える場面もある。

始まって突然サブタイトルもなく「第一話」のみでスタートしたのにはちょっと驚いたが、この直後から物語は早速動き出す。中村俊介演じる直助(この時は信次)がお佐代と駆け落ちする場面からスタート。この後、息を切らせ一人休むお佐代を男たちが取り囲む。そう、直助は自分がたらしこんだ女を男たちにあてがいレイプさせ、その礼金を貪る極悪人だったのだ。お佐代は男の一人の目を突いて直助に助けを求めるのだが、直助は躊躇もなくお佐代の腹を一突き。お佐代は一矢報いるためか、男の目を突き刺した簪で直助の手を貫くが、止めを刺されて死亡。追ってきた男たちをも殺害し、その懐にある金子を奪い逃亡するという凶悪さを見せ付ける。

さて、江戸では柳橋にできた美景庵という、今で言うところの「ホストクラブ」が大流行。過去には「照蔵屋(テレクラ)」とか「ラブホテル」なんかがあったから別に驚かないけど。髷にメッシュを入れた主・次郎をはじめイケメン揃いの美景屋では、男と女が個室でツイスターゲームなんかをやっており大流行。遊びに来る女たちも美人ばかりということで、ブ男たち(藤井隆陣内智則がゲスト出演。最後には自分の嫁自慢までやっちゃう)も何とかお零れに預かろう(レイプしよう)と必死の様子。おかげで芝居小屋には一切客が入らず、芝居好きの小五郎は機嫌が悪い。

その機嫌が悪いところへ、夜な夜な遊び歩く女の水死体が上がった。お佐代なのだが、この娘は駿河屋仁吉の長女だった。仁吉は早いうちに妻を亡くし、男手一つで娘二人を育ててきた。ところが、お佐代は世間体ばかりを気にする仁吉に反発し、夜遊びに興じた挙句美景庵で騙され死んだという筋書きだが、小五郎は「自業自得だ」と冷たい言葉を投げかける。割とドライな性格してるんだな。どうも小五郎は「イケメン」に嫉妬をしているようだが、小五郎も十分イケメンなので、この設定はあまりに弱い。

直助は次郎の下へ出向いて「女を回してくれ」と依頼に来るが、美景庵のスポンサーである野崎の吉右衛門は、事が大げさになり奉行所も動いているため直助を始末するよう命じる。やけに切羽詰った様子で女を回すよう懇願する直助…男を殺した後に懐から大量の金子を奪っているが、金に困っていたのだろうか。美景庵の用心棒・鬼丸に命を狙われる直助は、ふとしたことでお佐代の妹・お絹と出会う。お絹はお佐代を殺したのが直助とも知らず、じょじょに心を惹かれていく。お佐代が死に際に突き刺した手の甲の傷を手入れをするお絹。その傷は、あなたの姉がこの男に刺され、息が絶える間際に付けたものですよ…この辺りの因果は上手く出来ていると思う。

さて、お菊に恨み晴らしの依頼を断られた仁助は自ら美景庵へ乗り込み、男を人質に「信次を出せ」と強行。しかし、人質にした男は鬼丸によって斬られ、仁助もまた鬼丸によって始末されてしまった。瀕死の状態でお菊に依頼する仁吉は、駿河屋へ戻った途端に事切れる。

さあ、ここで悪人を始末して終わりかな…と思いきや、予期せぬツイストを設けていた。主水たちが美景庵の連中を始末した翌朝、何と直助が奉行所に自訴して出たのだ。事前にお絹に贖罪することを誓った手紙を渡し、美景庵の悪事を証言。既に直助に完全に惚れているお絹の必死の嘆願もあり、与力の神山は情状酌量として放免することに。これには小五郎も難しい顔をするのだが、小五郎は坂元が漏らした「人も殺めておらんようだしな」の一言に気を留める。直助は身寄りの無くなったお絹のもとへと戻ることを約束し、放免されるが…。

直助は旅支度をして江戸を離れようとしていた。小五郎は直助を呼び止める。「日本橋へは…この橋は通らねえぜ」と。そして、橋の下にいる男を見るよう促す。そこには、お佐代に簪で片目を突かれたレイプ犯の一人が立っていた。たじろぐ直助に小五郎、「おめえは肝心なことを言わなかった…この嘘つきめ!」一刀の下に直助を始末する小五郎。直助の帰りを待つお絹の気持ちを考えると、なんともすっきりしない後味の悪さを感じるわけだが、これも必殺の良さの一つである。

この時、片目のレイプ犯は小五郎の仕事を見ていたんじゃないか、と思われるのだが、個人的な解釈として、あの男に対し小五郎が「お前が犯したレイプの罪は見逃してやる。その代わりに直助の悪事を証言しろ」と持ちかけたと思っている。最初に直助に殺された連中は、身なりも良いし多額の金子を懐に忍ばせていた。美景庵にやってきたブ男(藤井隆陣内智則)も、身なりは良く妻もいるようだった。つまり、美景庵はそれなりに社会的地位のある男に対して、美景庵に集まる頭の軽い美人の女をあてがい、レイプさせて金を巻き上げていたわけだ。だから、小五郎が男にこの交換条件を持ちかけることで、裏の仕事に至るまでのことを口止めした……と解釈している。この辺りに、何となく前期シリーズっぽさを感じた。『必殺仕事人』なんかだと、元締のおとわが依頼人に顔を晒している話なんかが幾つかあったわけだし、この筋書きは全然アリだと思う。

全体的に見ても、話的にはまあ頑張っているんじゃないかな、って思う。最後の一ひねりは本当に良かった。必殺橋掛人の7話みたいなどんでん返しまではいかないものの、あっさりと終わらせることのない工夫のあとがあって好印象。ゲストも本当に豪華。中村俊介は松竹京都映画製作の『よろずや平四郎活人剣』で主役を演じているし、野崎の吉右衛門役には、田宮二郎の次男・田宮五郎を迎えている。なお、田宮二郎は劇場版『必殺仕掛人』で藤枝梅安役を演じている。この豪華なゲストは第二話にも続くようで、毎回のお楽しみの一つにもなりそう。中村俊介には、もっと時代劇に出てもらいたい。

残念だったのが演出。如月が飛ばす手裏剣や、直助が屋根を伝って逃げる際に突然降る雨がチープ……特にあの雨は一体なんだ。突然の雷雨で激しい雨なのだから、せめて『必殺仕事人III』の第一話で秀が順之助を始末にかかるときくらいの雨量を再現して欲しかった。小五郎が奉行所を出て直助を始末に行く際の、合成の雪もどうかと…。こういう天候の演出は、もう現代の時代劇ではなかなか上手く演出できないんだろうな。なお、如月はどうやらコメディ要因らしいが、彼女のパートがどんな風になっていくのかは楽しみ。

まあ、個人的にはそんなに酷いとも思えず、及第点は十分クリアしているように思います。今回はせんりつコンビはお休みでしたが、少なくとも『必殺仕事人V旋風編』よりはかなりマシかと。旋風編は工藤栄一が監督した第一話から既に地雷だったし。今後の展開と、ゲストに注目していきたいです。寺田敏雄以外の脚本家が書く必殺も楽しみ……だけど、過剰な現代風刺はじょじょに控えていってもらいたい。あとサブタイトル入れて。何か萎える。

キャスト

東山紀之松岡昌宏大倉忠義谷村美月福士誠治宇梶剛士前田航基

野際陽子中越典子

中村俊介

小林涼子田宮五郎/工藤俊作/野仲イサオ/平野貴太

藤井隆陣内智則

町田マリー/尾崎麿基/杉山幸晴/中川蜂男/細川純一/田村ツトム/K&U/松竹京都俳優G

荒木宏文山田辰夫

和久井映見

藤田まこと

スタッフ

脚本 寺田敏雄
音楽 平尾昌晃
主題歌 「鏡花水月The SHIGOTONINジャニーズ・エンタテイメント
美術監修 西岡善信
撮影 南野保彦
照明 林利夫
美術 犬塚進
録音 中路豊隆
編集 園井弘一
スクリプター 野崎八重子
殺陣 宇仁貫三
装飾 木下保
小道具 小田忍/上田耕治
セット付 春田耕市
調音 上床隆幸
効果 藤原誠
映像技術 川楠敏之
HD編集 中尾逸子
VFXスーパーバイザー 佐々木宏
CGデザイナー 鶴見祐輔/井上貴祥
コンポジター 三上貴彦
スチール 北脇克己
特技小道具 布目真爾
邦楽 中本哲
冨士宮隆
メイク 佐々木博美
進行 山田智也/沖田昌紀
演技事務 山緑美春/松本保子
助監督 井上昌典
製作主任 溝口豊
製作担当 黒田満重
プロデューサー補 岸岡孝治/飯田新/西原宗実/渡邊竜
宣伝 高内三恵子/川井真紀/平野三和
編成 槇野博信/菊池寛
ホームページ制作 木村恵/黒川幸子/新井麻実
モバイル 江崎仁祐
衣装 松竹衣装
結髪床山 八木かつら
装置 新映美術工芸
装飾 高津商会
タイトル シュプール/竹内志朗
特技 宍戸大全軍団
技術協力 IMAGICAウェスト
人形浄瑠璃 あわ工芸座/阿波人形浄瑠璃研究会青年座徳島県立城北高等学校民芸部
コーディネート 梅津龍太郎
料理指導 大和学園
音楽協力 株式会社テレビ朝日ミュージック/エービーシーメディアコム
ロケ協力 近江八幡市/八幡堀を守る会/滋賀ロケーションオフィス/下鴨神社/和知人形浄瑠璃
衣装協力 石勘株式会社/小紋屋 高田勝
題字 糸見渓南
語り 春風亭小朝
製作協力 松竹京都撮影所
チーフプロデューサー 森山浩一
プロデューサー 内山聖子/柴田聡/山川秀樹/武田功/三好英明
監督 石原興
制作 ABC/tv asahi/松竹株式会社

眠狂四郎 円月殺法 第18話「美女姫みがわり残念剣 −白須賀の巻−」

追われている娘を助けた金八(火野正平)だったが、目を離した隙に殺されてしまう。殺された女はなんと公家である京極家の一人娘・綾姫(小田切かおる)だった。金八は殺害容疑者として捕らえられてしまうものの、狂四郎(片岡孝夫)が奉行と交渉し二日間の猶予を貰うことに成功。その間に、この事件のカラクリを暴かなければならない。
この事件の影には、京極忠臣卿の弟・文麿(綿引勝彦)が糸を引いていた。文麿は病弱な兄・忠臣卿に代わり京極家の実権を握ることを画策。本物の綾姫を辰巳屋(中村錦司)へと売り飛ばし、その代金を元手に高い位に返り咲くことを目的としていた。そして忠臣卿を納得させるため、綾姫に瓜二つの一座の娘・八重(小田切かおる・二役)を身代わりにして口を封じたのだ。
狂四郎がすべてのカラクリを暴いたとき、円月殺法が文麿の野望を砕く……。

綿引勝彦が強面の公家を怪演。剣の腕前も恐ろしく立ち、狂四郎を苦しめる。

今回は金八受難の回と言っても良い。美人の娘を助けたと思ったら、それがきっかけで替え玉殺人事件に巻き込まれてしまうし、捕縛されて晒し者になっているときに通りがかった狂四郎には無視されるし(もちろん、後でちゃんと助けに来る)、脱走して見付かるといけないからと言って女装までやらされるしと、もう大忙し……のはずなんだけど、火野正平本人は結構ノリノリ。もちろん、全力疾走のシーンも登場します。

文麿は病弱な忠臣卿に代わって実権を握り、帝へのお目見えが適う位への返り咲きを企んでいた。そんな文麿へ例の島津三人衆が眠狂四郎打倒の助成を願い出るのだが、文麿にしてみれば自分自身の栄誉が掛かっているのだから、そんな話に構ってなどいられない。島津三人衆も「どうせ狂四郎と戦うだろ」的なノリで去っていって、その後は出番なし。

綾姫は豪商・辰巳屋へと売られていったのだが、綾姫本人は文麿の企みなどまったく気付いておらず、「自分はただ貧乏の暮らしが嫌になっただけ。贅沢がしたかっただけ」と自分勝手な理由を吐くも、真相を知らされて顔色を変える。綾姫のことを人一倍案じている従者・楓は、この企みを起こした文麿に詰め寄るも返り討ちに遭い殺されてしまう。これが、狂四郎の怒りの直接の原因となり、文麿と狂四郎は一対一の対決へ。円月殺法は公家の剣法を打ち破り、事件はすべて解決するのだった。

キャスト

眠狂四郎片岡孝夫金八:火野正平/島本半三郎:関根大学/森田周之助:鶴田耕裕/松浦与一郎:片岡松之助

京極文麿:綿引勝彦八重・綾姫:小田切かおる/楓:宮田恵子/辰巳屋:中村錦司/柳原帯刀:溝田繁/南部唐丸:芝本正/上田:加治春雄/伝法三千雄/新城邦彦/京あけみ/前川恵美子/横山直子/桐生奈知/美神有知/茜ゆき

スタッフ

企画 神山安平(テレビ東京)/大塚貞夫(歌舞伎座テレビ)
プロデューサー 犬飼佳春(テレビ東京)/小久保章一郎、沢克純(歌舞伎座テレビ)
原作 柴田錬三郎眠狂四郎孤剣五十三次」より(新潮文庫版)
脚本 米谷純一
音楽 岩代浩一
撮影 藤井哲矢
美術 太田誠一
制作主任 黒田満重
照明 南所登
録音 田原重鋼
調音 本田文人
編集 河合勝巳
装飾 玉井憲一
記録 川島庸子
装置 松野喜代春
進行 大志万宗久
助監督 木下芳幸
殺陣 楠本栄一
特技 宍戸大全
ロケ協力 大覚寺
装置 新映美術工芸
床山・結髪 八木かつら
衣装 松竹衣装
小道具 高津商会
現像 東洋現像所
ナレーター 佐藤慶
制作協力 京都映画株式会社
プロデューサー 佐々木康之
監督 唐順棋
製作 テレビ東京歌舞伎座テレビ

次回予告

矢ノ沢宿番所・桂木弥七郎が縦横無尽に暴れまわる野盗・丹波の鹿蔵を捕らえる。鹿蔵の配下の襲撃を恐れ、眠狂四郎に助成を依頼する弥七郎。だが、配下が先回りし宿場を襲撃。血の海地獄に至る、無想正宗。「冥途の土産に、円月殺法ご覧にいれよう」

付き馬屋おえん事件帳 第8話「恋飛脚 走る」

江戸で一、二を争う韋駄天、伏見屋の多吉が謎の二人組に襲われた。盗まれたのは、春日屋の主が若竹楼へ送る手紙と、番頭・金蔵から預かった六十五両。手紙はさておき、金子は金蔵から個人的に頼まれたこともあり、独自で取り返そうと奔走する多吉。
しかし、借金返済のため多吉の恋女房・おみねが若竹楼へ身請けされてしまう……。おえんが掛け合い一日だけ猶予を貰うことができたのだが、その間に多吉は事件を解決し、若竹楼へ金子を届けることができるだろうか……。

多吉役に久保田篤、おみね役に森口瑤子を迎えた今回のお話。後半は『走れメロス』に似た構成で、「セリヌンティウス」が一番愛する恋女房というのが、より深い人情劇にするためのアレンジとなっており、まさに時代劇に相応しい設定。

訳も分からず二人組に襲われる多吉。若竹楼への手紙を盗まれるわけだが、次のカットで若竹楼の番頭が付き馬を依頼しに来るという連続した展開。蔵前の米問屋・春日屋から半年前からのツケである六十五両を取り立てて欲しい、という依頼なのだが、春日屋の主は六十五両は既に返済した、という辻褄が合わないことに。これにはおえんも頭の中が?らしく、悩んでいる姿に思わず「この稼業は何かに惚れ込まないとやっていけませんぜ」と新五郎。

それもそのはず。春日屋の主は番頭の金蔵に六十五両を渡し返済するよう言付けたのだが、金蔵がその金を無断で多吉に渡していたのだ。そして、多吉を襲ったチンピラと浪人、そしてこの金蔵は裏で繋がっていたというわけだ。

多吉は伏見屋を通していない仕事で大金に穴を開けた後ろめたさから、自分一人で事件を解決しようと奔走する。その間、一ヶ月前に夫婦になった恋女房・おみねは借金の返済に窮し、堪りかねて若竹楼へと身を売ってしまう。おえんは若竹楼の主と掛け合い、おみねの身売りを何とか一日だけ待ってもらうことにした。おえんは、おみねの父が危篤に陥ったとき、南の土地まで必死に走り桜を見せてあげた優しい多吉の心に賭けたのだ。

翌日の晩までに事件を解決せねばならない。子の刻に吉原の大門が閉じるまでに、多吉が六十五両を若竹楼へ戻せば全ては済む。しかし、多吉は悪の一味に捕らえられてしまう。消される寸前に到着したおえんと又之助。一味を始末し、多吉は吉原へと走る。時間はあと四半時。駒込から吉原までを必死で走る多吉に迷いはない。この時に挿入されるおみねの儚げな笑顔と桜の花の演出が泣かせる。なお、今回の殺陣では浜蔵と新五郎はお休み。おえんと村木以外の出番自体が少なめです。

大門は閉まりかけているのだが、この時に村木が気を利かせて時間稼ぎをしてあげるのが何とも粋。間に合った多吉、おみねと抱擁を交わし事件は無事に解決する。実は金子には十両上乗せがしてあったのだが、これはおえんが二人にあげた好意の金子。実はおしまとおけいから借金していたりするのだった。

多吉が十手持ちに追われるシーン、必殺シリーズ中の未使用曲か?

キャスト

レギュラー

おえん:山本陽子

又之助:宅麻伸

おしま:入江若葉

浜蔵:黒田隆哉*1/おさと:林美里

おけい:長谷川稀世

村木鉄平:中山仁

新五郎:山城新伍

ゲスト

久保田篤森口瑤子/徳田興人/松本竜介/石倉英彦/下元年世/滝譲二/遠山金次郎/日高久/東村元行/えがわあつこ/福山龍次/小峰隆司/新城邦彦/伊奈江美

スタッフ

原作 南原幹雄新潮文庫・小説推理より)
チーフプロデューサー 江津兵太(テレビ東京)/桜林甫(松竹)
プロデューサー 小川治(テレビ東京)/中嶋等(松竹)/斉藤立太(松竹)
脚本 加瀬高之
撮影 藤原三郎
照明 林利夫
美術 倉橋利韶
録音 中路豊隆
編集 園井弘一
殺陣 宇仁貫三
装飾 中込秀志/清水与三吉
調音 鈴木信一
記録 竹内美年子
助監督 北村義樹
制作主任 渡辺寿男
進行 楳村仁一
スチール 佐々木千栄治
広報担当 高橋修テレビ東京
装飾 高津商会
衣装 松竹衣装
結髪 八木かつら
装置 新映美術工芸
現像 IMAGICA
協力 京都大覚寺/鈴乃屋/エクラン演技集団
主題歌 「雨あがり」 作詞:麻こよみ/作曲:猪俣公章/編曲:小杉仁三/歌:坂本冬美東芝EMI
製作協力 京都映画株式会社
監督 高瀬昌弘
製作 テレビ東京・松竹株式会社

次回予告

新造を水揚して、金を払わぬ食い逃げ野郎。少しばかりの荒療治は、見逃していただきましょう。「切った張ったは稼業じゃないが…喜の字屋おえん、ケジメつけさせてもらいます」次回、付き馬屋おえん事件帳、ご期待ください。 → 吉原悲話 露の情け

シティーハンター3 第10話「クリスマスにウェディングドレスを…(前編)」


世間はまさにクリスマス一色。そんな中、山岡海運社長・山岡信三から一人娘・椿を連れ戻して欲しいとの依頼。椿は山岡海運の商売敵である海野海運の跡取り・和彦によってたぶらかされているそうだが、冴羽の調べでは和彦の態度は誠実なもので、二人は純粋に愛し合っていた。更に二人は何者かに命を狙われている様子。
山岡海運と海野海運の仲違いの原因は……。そして、二人が命を狙われる原因は一体……。

商売敵同士の息子と娘が愛し合い、親から認められぬままに愛を育み合う。『ロミオとジュリエット』というよりは、『水戸黄門』などの勧善懲悪時代劇によくあるストーリー。こういうお話の場合、大抵第三者が漁夫の利を得ようと画策しているものなのだが……。

ダンディな山岡海運の社長。香を見てはすぐに口説き始めるプレイボーイ。一人娘の椿には男手一つということもあり、海外で英才教育を受けさせたのだが、その椿と愛し合った男というのが、何と商売敵である海野海運の跡取り・和彦だった。山岡海運と海野海運には25年前から続く裏切りによる怨恨が続いており、椿からその原因を聞きだそうとした冴羽だったが、あと一歩のところで逃げられてしまう。

和彦と椿は命を狙われていた。しかし二人には身に覚えがない。和彦が母・雪の誕生パーティーに出席した際、椿が白馬で和彦を迎えに来るのだが、この時も二人は怪しい男たちにマークされていた。

年末も近いというのに通帳には17,300円しかなく「年が越せない」と嘆いたり、300万円のウェディングドレスに憧れたり、また一方で「愛し合う二人を引き裂く仕事」に嫌悪感を顕にしたりと、香の行動がかしましい今回のお話。前金300万円の半分である150万をすぐに使い込んだり(借金返済もあるだろうが、その割には買い物が多い……やはり女性だな、と)と金遣いの荒さも露呈するが、この前半の「ウェディングドレスに憧れる香」が後編への伏線となっていく。

脚本には常連ライター・平野靖士に加えて大ベテラン・久保田圭司を迎えた。久保田と言えば、1960年代から70年代にかけて製作された日活映画の脚本を経て、アニメでは『科学忍者隊ガッチャマン』『逆転イッパツマン』などタツノコプロの作品に参加する傍ら、ロボットアニメ『ビデオ戦士レザリオン』の脚本にも参加した人物である。もちろん実写畑でも活躍を続けており、2000年に入ってからはVシネマの脚本もいくつか手がけている。

セリフ

山岡「ビリヤードは恋人の心を掴むのと同じ。相手のハートを狙って一気に恋の矢を放つ!」

冴羽「もう忘れるんだね。二人の間に愛が存在していたなんて。君はきっと悪い夢でも見たんだよ」

椿「そんなことない!私たちは真剣に愛し合っているわ!あなたなんかに分からないでしょうけど!」

冴羽「分からないね。君が悪魔の城に乗り込んででも、愛する人を助けるというんなら分かるがね。今の君は、もうどうでもいいという雰囲気だ。彼に騙されていたんじゃないか、と疑心暗鬼にかかっている。そんなのは愛じゃない。ただの妄想さ。だから、君を捨てるような薄情男のことは忘れて……父親公認のリョウちゃんとモッコリしようよ」*冴羽、椿に向けてわざとキツイ言葉を浴びせてその気持ちを再確認させる。いつもの手段。

次回予告

香「椿さんの勇気には本当脱帽ね」

冴羽「でもまだ安心はできんぜ?ずーっと付けねらってる奴らもいるし」

香「早く家同士の仲違いの原因を突き止めて、めでたくゴールインさせてあげたいね」

冴羽「そんときゃついでに香もウェディングドレス着てみっか?」

香「本当に!?」

冴羽「なんちて」

香「うぅ…さてはまた私を囮にするつもりだな?」」

冴羽「シティーハンター3『クリスマスにウェディングドレスを…(後編)』」

香「見ないとゴールインできないよ?」

キャスト

冴羽獠神谷明/槇村香:伊倉一恵

椿:高田由美/和彦:難波圭一/山岡:鈴木泰明/雪:巴菁子/執事:田口昴/ファンC:中博史/男A:中田和宏*1/女A:麻見順子*2/女B:斉藤千恵子/女の子:林玉緒

スタッフ

脚本 平野靖士/久保田圭
絵コンテ こだま兼嗣
演出 藤本義孝*3
作画監督 本橋秀之
原画 伊東誠/星野絵美
動画 赤坂理恵子/島田悌三/置鮎美穂/河野利幸/アニメアール/スタジオ天/スタジオたくらんけ
動画チェック 石井康雄
色指定 大橋奈緒
仕上 エムアイ/ビーム/木下恵美/宮田薫/池田誠/今村雪子
特効 千場豊(マリックス)
美術 本田修
背景 獏プロダクション/荻庭裕文/小形光芳/矢島伊都子
撮影 (株)旭プロダクション/長谷川洋一/大神洋一/薮田順二/土岐浩司
編集 鶴渕映画
タイトル マキ・プロ
効果 フィズサウンドクリエイション 松田昭彦
録音スタジオ APUスタジオ
整音 柴田信
音響制作 オーディオ・プランニング・ユー
現像 東京現像所
メカニカルデザイン 明貴美加
文芸設定 稲荷昭彦
制作助手 外池葉子
色彩設計 中山しほ子
仕上助手 新垣純子
製作担当 望月真人
制作デスク 池部茂
制作進行 松村圭一


CITY HUNTER 3 Vol.3 [DVD] シティーハンター 3 シティーハンター dramatic master City Hunter Sound Collection X-Theme Songs- City Hunter Sound Collection Y-Insertion Tracks CITY HUNTER COMPLETE DVD-BOX (完全限定生産)